冷遇令嬢、最恐軍医に嫁ぎました~大正深愛綴り~


 勇心は、しっとりと艶やかな黒髪に指先を滑らせる。

「君のこの綺麗な黒髪は、母親譲りだと聞いた」
「はい。……母の遺品は、継母に処分されてしまいましたが、母が愛用していた白檀の櫛だけは大事に使っています」
「その櫛はどこにある」
「櫛ですか?」
「ああ」

 紫乃は鏡台の引き出しから櫛を取り出し、勇心に差し出す。
 すると勇心は、寝台の端に紫乃を座らせ、白檀の櫛で優しく梳いた。

「体温の変化も、鼓動の乱れも、……全部、俺だけが知っていたい」
「……はい」

 二人は見つめ合い、そっと額を寄せ合う。
 寝台灯の光が、ふたりの影をやさしく包み込んだ。

(この人となら、どんな未来も恐くない。そう思える自分がいる)


 冷遇令嬢と最恐軍医の深愛の日々が、さらに深まってゆく――。

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※ここまでお読みくださり、誠にありがとうございます。
 作者の蓮条です。

この作品は、某サイトの漫画原作コンテスト向け(5万文字以内)に書いたものになります。
まだ最終結果がでてないので、一旦、ここまでの公開とさせていただきます。

恐らく、落選すると思いますので(笑)
続きは、コンテスト結果が出ましたら、追々、公開していこうと思っております。
どうかそのまま、本棚に入れておいていただけたら幸いです。

2026.06.01. 蓮条