きみが春なら

「王子」

家臣のマナトが神妙な顔つきで俺に問う。
着替えを手伝わせている最中の事だった。

「本当に……彼女で宜しいのですか?」

今更何を、と一笑に付す。
国民への発表は数十分後に迫っているというのに。


「俺がこの手で変えてやる。歴史も、世界もな」


ふと頭を過ぎったのは
一度だけ見た、少女のような笑顔だった。