「ひどい雨だね」
ジャケットを被せてくれたのは若い男の子だった。濡れたシャツが肌にぴったり張り付いている。
「大丈夫?あなたが濡れてしまって」
「何でもないよ。これくらい」
金髪を後ろでくくった彼は人懐っこい笑顔を見せる。背は高いけれど、私より年下かもしれない。
「私、そこのワゴン店で働いてるの。お店ので良かったら、タオル使って?今持ってくるわね」
「、あー……」
彼はなぜか決まりが悪そうな顔で頭を掻いた。
「やっぱり覚えてない、よね?僕の事」
「え?」
「何度かお店を利用してるんだ。それに、ほら。前に、君に花束を」
あっ、と思った。
そうだ。花壇の所で花束を渡してくれた男の子がいた。
その後すぐに、なぜか不機嫌そうなイーヴァンが話しかけてきた事まで思い出してしまう。
「ごめんなさい。すぐに行ってしまったから……よく顔が見られなくて」
「そうだよね。名乗りもしなかったし」
「あの時も、お花ありがとう。しばらく部屋に飾ってたの。結構もったのよ」
彼は照れくさそうな表情でそうか、と呟いた。
「じゃあ、いま名乗ってもいい?アレクサンドルだよ」
「アレクね。私はハルよ」
── 『変わった名だな』。
ふいに、頭の中でそんな声がして
目の前にいるアレクの顔がぼやけた。
「……ハル?」
「だ、大丈夫」
慌てて目を擦る。
「次にあなたを見かけたら、声をかけるわね。私、タオル取ってくるね。雨も少し弱くなったみたい」
軒先から出て行こうとした途端。腕を引かれ、体が反転した。
「っ、」
転びそうになった体はしっかり支えられ。気が付いたら唇が重なっていた。
ジャケットを被せてくれたのは若い男の子だった。濡れたシャツが肌にぴったり張り付いている。
「大丈夫?あなたが濡れてしまって」
「何でもないよ。これくらい」
金髪を後ろでくくった彼は人懐っこい笑顔を見せる。背は高いけれど、私より年下かもしれない。
「私、そこのワゴン店で働いてるの。お店ので良かったら、タオル使って?今持ってくるわね」
「、あー……」
彼はなぜか決まりが悪そうな顔で頭を掻いた。
「やっぱり覚えてない、よね?僕の事」
「え?」
「何度かお店を利用してるんだ。それに、ほら。前に、君に花束を」
あっ、と思った。
そうだ。花壇の所で花束を渡してくれた男の子がいた。
その後すぐに、なぜか不機嫌そうなイーヴァンが話しかけてきた事まで思い出してしまう。
「ごめんなさい。すぐに行ってしまったから……よく顔が見られなくて」
「そうだよね。名乗りもしなかったし」
「あの時も、お花ありがとう。しばらく部屋に飾ってたの。結構もったのよ」
彼は照れくさそうな表情でそうか、と呟いた。
「じゃあ、いま名乗ってもいい?アレクサンドルだよ」
「アレクね。私はハルよ」
── 『変わった名だな』。
ふいに、頭の中でそんな声がして
目の前にいるアレクの顔がぼやけた。
「……ハル?」
「だ、大丈夫」
慌てて目を擦る。
「次にあなたを見かけたら、声をかけるわね。私、タオル取ってくるね。雨も少し弱くなったみたい」
軒先から出て行こうとした途端。腕を引かれ、体が反転した。
「っ、」
転びそうになった体はしっかり支えられ。気が付いたら唇が重なっていた。
