意識が戻った、と聞いた瞬間走り出していた。
何とか戦に区切りをつけやっとの思いで帰ったばかりだが、疲れなんて吹き飛んでいた。
部屋へ飛び込むと、ベッドに腰かける妻が陽だまりの中で目を閉じていた。
「……っ」
幻夢の如き儚い姿に一瞬息を呑む。
一歩近づくと、ハルが俺を見た。
ほとんど駆け足で歩み寄り、その勢いのまま抱きしめた。
「よく……戻ってきたな。」
返事はなかった。体にもほとんど力が入っていない。
風呂上がりらしく、良い香りがする。髪に指を通すと少しだけ湿っていた。
「少しは下がったか」
熱をみようと額同士を合わせると、ハルはうっすら微笑んだ。
「ん?」
「この前と……逆だなぁって。」
体力の限界がきたらしく、すうっと俺の胸へ倒れ込んでくる。
話し方だけでなく存在そのものがふわふわと、いつにも増して頼りなかった。
か細い、でも確かな寝息。
情けない感情が胸に満ちていく。
「── そうだな。」
額に唇を付けた。そうせずにはいられなかった。
髪に。頬に。耳に。順番にキスをして。
「……もう少し。眠れ」
再び抱きしめた後、そっとベッドに寝かせてやった。
何とか戦に区切りをつけやっとの思いで帰ったばかりだが、疲れなんて吹き飛んでいた。
部屋へ飛び込むと、ベッドに腰かける妻が陽だまりの中で目を閉じていた。
「……っ」
幻夢の如き儚い姿に一瞬息を呑む。
一歩近づくと、ハルが俺を見た。
ほとんど駆け足で歩み寄り、その勢いのまま抱きしめた。
「よく……戻ってきたな。」
返事はなかった。体にもほとんど力が入っていない。
風呂上がりらしく、良い香りがする。髪に指を通すと少しだけ湿っていた。
「少しは下がったか」
熱をみようと額同士を合わせると、ハルはうっすら微笑んだ。
「ん?」
「この前と……逆だなぁって。」
体力の限界がきたらしく、すうっと俺の胸へ倒れ込んでくる。
話し方だけでなく存在そのものがふわふわと、いつにも増して頼りなかった。
か細い、でも確かな寝息。
情けない感情が胸に満ちていく。
「── そうだな。」
額に唇を付けた。そうせずにはいられなかった。
髪に。頬に。耳に。順番にキスをして。
「……もう少し。眠れ」
再び抱きしめた後、そっとベッドに寝かせてやった。
