◇ ◇ ◇ ◇
それから
ハルはまた丸一日眠って。
次の日には、起きている時間が増えて。
更に次の日には、少し会話も出来るようになった。
「あ、」
部屋の扉を開けると、君はベッドの上に座り窓の外を見ていた。
「もう起きていいのか?」
俺の声に振り返る。
「……うん。」
声が掠れていた。熱の名残なのか、ハルはいつも以上にぽやんとした雰囲気だ。椅子を引き寄せ側へ座ると石鹸の香りがする。
「シャワーを浴びただけなのに。何だか動けなくなっちゃった」
「体力が戻ってないんだよ。無理するな」
ハルは背中に当てた大きな枕に寄りかかる。
何か言いたいが、言葉が出てこない。代わりにベッドの上の手を取ると、君は俺を見た。
「……びっくりした?ごめんね」
触るな、って王子に言われたのに。この間から言いつけに背いてばかりだ。
「ああ。おにぎりを見せられた時より、よっぽど」
彼女が笑った。
数日ぶりの笑顔が泣きたいくらいに愛おしい。
── 繋いだこの手は、彼女の心にどう映るのだろう。
意味なんて何にもないって思うのかな。
「薬を飲む前に何か食えそうか?果物とか持ってこようか」
「うん。ありがとう」
もう一度だけきゅ、っと握り、君の手を離した。
それから
ハルはまた丸一日眠って。
次の日には、起きている時間が増えて。
更に次の日には、少し会話も出来るようになった。
「あ、」
部屋の扉を開けると、君はベッドの上に座り窓の外を見ていた。
「もう起きていいのか?」
俺の声に振り返る。
「……うん。」
声が掠れていた。熱の名残なのか、ハルはいつも以上にぽやんとした雰囲気だ。椅子を引き寄せ側へ座ると石鹸の香りがする。
「シャワーを浴びただけなのに。何だか動けなくなっちゃった」
「体力が戻ってないんだよ。無理するな」
ハルは背中に当てた大きな枕に寄りかかる。
何か言いたいが、言葉が出てこない。代わりにベッドの上の手を取ると、君は俺を見た。
「……びっくりした?ごめんね」
触るな、って王子に言われたのに。この間から言いつけに背いてばかりだ。
「ああ。おにぎりを見せられた時より、よっぽど」
彼女が笑った。
数日ぶりの笑顔が泣きたいくらいに愛おしい。
── 繋いだこの手は、彼女の心にどう映るのだろう。
意味なんて何にもないって思うのかな。
「薬を飲む前に何か食えそうか?果物とか持ってこようか」
「うん。ありがとう」
もう一度だけきゅ、っと握り、君の手を離した。
