きみが春なら

「ハル様。おはようございます」
部屋の前でジュリが数度ノックするも、中から返事は無い。
二人で顔を見合わせた。

「まだお休みなのかしら?」
「外で待ってるから。入って良さそうだったら呼んでくれ」
「わかりました」
ジュリが扉を開けるのを、少し離れて見守った。

「失礼し、ま……ハル様?」

突然ジュリの声色が変わる。同時にがしゃあん、と金属音が響いた。
ジュリがトレーを落とし、乗っていた朝食が全て床に散らばった。

「ハル様!」

部屋に駆け込む彼女に続き、俺も慌てて中を覗く。
その瞬間血の気が引いた。

「ハ……、」

── ハルがこちらに背を向け、
ベッドの下に倒れていた。


「ハル!!」