きみが春なら

── 彼女がくれたのは、究極の愛だ。
これからの自分の人生のうち、全ての自由を捨て去ってでも
俺を助ける事を選んだ。

「……ごめん」

『愛してる』、
『愛してる』って。
痛いくらいに伝わるから嗚咽が止まらない。


「ごめん……」


守ってやれなかった。
何にもできないまま奪われた。
あんなに怯えてたのに。

『お前の名を呼んでいたぞ?泣きながらな。』

八つ裂きにされそうだ。身も、心も。


◇ ◇ ◇ ◇

君との明日は
俺が生きる意味だった。

柔らかい話し方が好きだった。ぶれない強さが好きだった。
笑顔も寝顔も愛しかった。
黒い髪が陽に透ける時。いつも綺麗だなって思ってた。
ベッドの中で赤く染まる肌を目にする度、もうどうしようもなくて。
小さな手、歩幅、優しい声。

心の底から、愛してた。
愛されてるのもわかってた。


『今度は私の番でしょ?』


……なぁ。

俺が、今まで君に

救われてなかったとでも

思うのか?