「だ……駄目だ。駄目だ駄目だ。それだけは」
鉄格子を握りしめ、必死に必死に説得する。
『救世主が現れて、お前を救ってくれる』。
あの言葉。捕らわれた意味。
全てが線で繋がっていく。
「王子に脅されてるんだな?話を聞いてくれ!頼む」
「あなたは!」
彼女の頬をゆっくり涙が伝う。
「何度も私を助けてくれた。最初から、ずっと」
「……っ」
「今度は私の番でしょ?」
牢の扉が再び開いた。誰かの足音に二人でハッとする。
「これだけは壊されたくないから。持っていて」
ハルは慌てて薬指から指輪を外し、鉄格子の隙間から目一杯こちらに腕を伸ばした。
反射的に俺も腕を伸ばす。ギリギリ指輪を受け取った時、冷たい指に少しだけ触れた。
「──── さよなら。」
君は
もう泣いていなかった。
笑ってもいなかった。
揺るがぬ意志を感じる瞳で、ただ真っ直ぐそう言って。
そのまま足音のする方に駆けていった。
「待っ……」
待て、と叫ぼうとしたところで体に限界がきてしまった。
酷い目眩に視界が歪む。相変わらず痛む腹を抱え、床に倒れ込んだ。
意識がすうっと遠のいていく。
「……や、めろ」
お願いだ、
待ってくれ。
ハル。
鉄格子を握りしめ、必死に必死に説得する。
『救世主が現れて、お前を救ってくれる』。
あの言葉。捕らわれた意味。
全てが線で繋がっていく。
「王子に脅されてるんだな?話を聞いてくれ!頼む」
「あなたは!」
彼女の頬をゆっくり涙が伝う。
「何度も私を助けてくれた。最初から、ずっと」
「……っ」
「今度は私の番でしょ?」
牢の扉が再び開いた。誰かの足音に二人でハッとする。
「これだけは壊されたくないから。持っていて」
ハルは慌てて薬指から指輪を外し、鉄格子の隙間から目一杯こちらに腕を伸ばした。
反射的に俺も腕を伸ばす。ギリギリ指輪を受け取った時、冷たい指に少しだけ触れた。
「──── さよなら。」
君は
もう泣いていなかった。
笑ってもいなかった。
揺るがぬ意志を感じる瞳で、ただ真っ直ぐそう言って。
そのまま足音のする方に駆けていった。
「待っ……」
待て、と叫ぼうとしたところで体に限界がきてしまった。
酷い目眩に視界が歪む。相変わらず痛む腹を抱え、床に倒れ込んだ。
意識がすうっと遠のいていく。
「……や、めろ」
お願いだ、
待ってくれ。
ハル。
