「こちらで死んだ事にすれば、ロシア警察に渡さずに済むぞ」
王子様はわざとらしい笑顔を浮かべる。
「目を離した隙に、牢で自ら命を絶ってしまったと。そう通達し、こっそり逃してやる事は出来る」
「ほ、」
本当?と尋ねる前に、指で顔を持ち上げられた。
「ただ。それをやるかどうかは、お前の身の振り方次第だ。ハル」
「……」
「助けたいか?愛する男を。」
至近距離で見つめ合う。心の奥底まで見透かされるような、冷たい瞳だ。
「彼を逃がす代わりに……結婚を受け入れろって言いたいの?」
「賢いな。話が早い」
ふっと笑い、私の顎から手を離す。
「こうしている間にも、奴はどんどん弱っていく。決断は早い方がいいぞ」
離れかけた背中に
「待ってください」
力無く声をかけた。
「どうして私なんですか」
「……」
「そこまで執着されるものが……自分にあるとは思えない」
最初から抱いていた疑問だった。振り返った王子様が再び私に歩み寄る。
「わかっていないな?自分の事が」
腰を抱き寄せられ、唇を塞がれた。
あっという間に舌が入ってくる。貪るようなキスだった。
やめて、と言いたかったけれど抵抗する力も残っていなかった。
「言っただろう?俺はお前が気に入っている。ドレスで着飾った姿を見てみたい」
ふらつく私を抱き止めて。
やっと唇が離れた時には王子様の息も乱れていた。
「興味があるんだ。お前にも……お前の生き方にも。価値観にもな」
耳にかかる吐息にびくっと反応する私を見て王子様は妖しく笑む。音をたてて何度も首筋に口付けてくる。
「可愛いな。本当に可愛い」
再び重なった唇には、もうハッキリと色が混じっていて。
絡まる舌の感触に、立っていられない。
怖くて。恥ずかしくて。
これ以上耐えられそうになかった。
「やぁっ、イーヴァン……っ!」
身を捩り、泣きながら彼の名を呼んだ時。
王子様の動きが止まった。
「覚悟が決まったら城に来い。」
そう言い残し彼は去っていった。
王子様はわざとらしい笑顔を浮かべる。
「目を離した隙に、牢で自ら命を絶ってしまったと。そう通達し、こっそり逃してやる事は出来る」
「ほ、」
本当?と尋ねる前に、指で顔を持ち上げられた。
「ただ。それをやるかどうかは、お前の身の振り方次第だ。ハル」
「……」
「助けたいか?愛する男を。」
至近距離で見つめ合う。心の奥底まで見透かされるような、冷たい瞳だ。
「彼を逃がす代わりに……結婚を受け入れろって言いたいの?」
「賢いな。話が早い」
ふっと笑い、私の顎から手を離す。
「こうしている間にも、奴はどんどん弱っていく。決断は早い方がいいぞ」
離れかけた背中に
「待ってください」
力無く声をかけた。
「どうして私なんですか」
「……」
「そこまで執着されるものが……自分にあるとは思えない」
最初から抱いていた疑問だった。振り返った王子様が再び私に歩み寄る。
「わかっていないな?自分の事が」
腰を抱き寄せられ、唇を塞がれた。
あっという間に舌が入ってくる。貪るようなキスだった。
やめて、と言いたかったけれど抵抗する力も残っていなかった。
「言っただろう?俺はお前が気に入っている。ドレスで着飾った姿を見てみたい」
ふらつく私を抱き止めて。
やっと唇が離れた時には王子様の息も乱れていた。
「興味があるんだ。お前にも……お前の生き方にも。価値観にもな」
耳にかかる吐息にびくっと反応する私を見て王子様は妖しく笑む。音をたてて何度も首筋に口付けてくる。
「可愛いな。本当に可愛い」
再び重なった唇には、もうハッキリと色が混じっていて。
絡まる舌の感触に、立っていられない。
怖くて。恥ずかしくて。
これ以上耐えられそうになかった。
「やぁっ、イーヴァン……っ!」
身を捩り、泣きながら彼の名を呼んだ時。
王子様の動きが止まった。
「覚悟が決まったら城に来い。」
そう言い残し彼は去っていった。
