きみが春なら

最初に思い出したのはケビーだった。

「ああ!そうそう」
「ハル……ユミキ?」

声を絞り出し問いかけた。

「そう、それよ!その名前」
「何だ。お前もちゃんと聞いたんだな?昨日のラジオ」

ケビーの笑顔が
ぐにゃり、と歪む。

「イーヴァン!?どうした!?」

立っていられず、カウンター裏に屈みこんだ。
手に持っていた酒瓶が滑り落ち、床に水たまりが広がっていく。


── 君との平穏であたたかい日々は
まるで桜の花のように、一瞬だった。