蛍の季節に、キミはまた会いに来る


独り言のような私の声は、誰の耳にも拾われず床に落ちた。

それを拾おうにも、脆くて既に崩れてしまっている。

私は声の欠片を足の裏で蹴飛(けと)ばし、俯いた。

転校を期に、穏やかな生活を送りたいと思っていた。

まだ遅くはない。

これ以上問題を起こさなければ、今も私に鋭い眼差しを向けている彼女も次第に私のことを忘れていくだろう。

あれは勘違いだった。ただの思い過ごしだった。

頭の中を、そう変換してほしい。

私の計画は間違っていたのだろうか。

転校したら、きっと問題なく過ごせる。

そうする為に、以前より神経を研ぎ澄まして過ごそう。

そう願っていたし、元々目立つタイプではないから印象を薄くできるだろうと自信があった。

それなのに、私の考えが甘かったみたいだ。

私の周りに集まってくる人たちのことは一切考えたことがなかった。

まさか、私が派手なグループに捕まり教室内で目立ってしまうなんて……。