蛍の季節に、キミはまた会いに来る

蛍が好きだった黒崎くんは、この季節を選んで、もう一度、私に会いに来てくれた。

ありがとう。

私、もう負けないよ。

ちゃんと笑って生きていく。

だから——

黒崎くんも、安心して向こうで過ごしてね。

もう、こっちに戻ってこなくていいから。

……?

ふと、ページの右下に違和感を覚えた。

よく見ると、わずかにへこんでいる。

指でなぞる。

——文字みたい。

私は慌てて筆箱からシャーペンを取り出し、そっとなぞった。

すると。

白いページの上に、ゆっくりと文字が浮かび上がる。

そこに書かれていたのは——

“古川を好きになる運命で、幸せでした”

息が、止まった。

次の瞬間。

私はノートを胸に抱きしめたまま、崩れるようにその場に座り込んだ。