蛍の季節に、キミはまた会いに来る


その顔がおかしくて、思わず吹き出してしまう。

黒崎くんは何度も鼻に人差し指をあて、静かにしろと言った。

完全に真衣で遊んでる。

真衣はヤキモキして大声をあげたそうだけど、黒崎くんのことを考えて声を飲み込んでいた。

大声を出す代わりに、地団駄を踏んでいる。

だけど、すぐに優しい表情で私を見下ろしてくる。

声に出さなくても、真衣の気持ちは十分に伝った。

ありがとう。

心配してくれて。

私が微笑み返すと、今度はふざけてばかりで全く作業をしていない瀬戸くんを説教しに行っていた。

怒られる瀬戸くんを見て、私は黒崎くんと目を見合わせて笑った。


その日の夜に書いた黒崎くんの願いは、

”普通のカップルみたいな一日が過ごせますように”だった。