蛍の季節に、キミはまた会いに来る


『まぁ、わかんないけど』

そう言って、優しく笑う。

『だから、もし俺があの日に事故に遭ってなくても、いつかは同じことになってたんだよ』

「………」

『それが、俺に決めれらた、運命なんだから』

本当にそうなのだとしたら、人生って惨すぎる。

どんなに頑張って努力していたとしても、死ぬ時は死ぬ。

それがわかっていたら、しなくていい努力だったのに。

『それがわからない人生だからこそ、生き抜いたってことになるんじゃない?』

「え……?」

『今、死ぬときがわかったらいいのに〜とか思っただろ?』

「え、どうしてわかるの?え?もしかして、心の声まで筒抜け?」

誰もいない方向に話しかけてる私に、クラスメイトが不思議そうに眉を寄せた。

黒崎くんは自分が他の人から見えていないことをいいことに、赤面する私を指差して笑っている。

『筒抜けではないけど、古川が考えそうなことは大体わかるよ』

また意地悪に笑う。

『古川にだってあるんだからな、運命』

……運命、か。

私と黒崎くんが小さい頃に会っていたことも運命で、大きくなって黒崎くんのいる中学に転校してきたのも、運命。

そして、付き合うことになったのも。

突然の別れも……。

じゃあ、この先は?

私の未来はどうなっているの?

この先、黒崎くんが記憶の一部になっていくことしかないんじゃないの?

そんな人生なら、別に送らなくてもいい。