蛍の季節に、キミはまた会いに来る


3日目。

私たちの中学では、受験を控えている3年生の出し物は簡単なものでないといけないルールになっている。

例えば、劇とか去年したようなお化け屋敷など、覚えたり大掛かりな準備が必要なものはしてはいけない。

なので今年は、クラスに簡単な飾り付けだけでできるカフェをすることになっていた。

文化祭が近づくとあの日のことがフラッシュバックしてしまう。

もし、クラスの出し物がお化け屋敷なんかじゃなければ、私たちが買い出しに出ることもなかったし、黒崎くんが事故に遭うこともなかったんじゃないか。

そしたら、今頃何でもない日常を過ごして、文化祭の準備を楽しんでいたんじゃないかって。

そう思ってしまう。

『古川』

私の隣から、私にしか聞こえない黒崎くんの声。

『俺、向こうで言われたんだ』

向こう……死の世界ってこと、だよね?

『何を?』

聞く代わりに、黒崎くんを見上げる。

『人の運命ってさ、生まれる前から決まってて、それはどんなことをしたって変えられないんだって』

「………」

『神様が決めるんだろうな。生まれてくる時に、はい、あなたは何歳で何をして、何歳で成功して、何歳で死にますよみたいな?』