獅堂家のやり方が気に入らない……?
考えようと思っても、酔っているせいか思考回路がおかしい。
迅さんはしばらくその男たちの背中を見ていた。
そして小さく息をつく。
「……花音様、大丈夫でしたか?」
振り返った迅さんの表情は、さっきまでの穏やかなものに戻っていた。
待つように言われていたのに……勝手に歩き回った自分のせいだ。
「ごめんなさい!要さんの姿を見つけて……それで……」
そういえば、志乃さんと二人で話しているところを見つけて、ショックを受けて……
迅さんがため息をついた。
「まだ酔いも醒めてないでしょう、まもなくダンスが始まりますが、体調不良だとお伝えしておきます」
「え!ダメです!」
思わず迅さんの腕を掴み、驚いた顔で見下ろされた。
「あのっ……だって、あんなに練習したのにっ」
「それは私も十分承知しております。しかしその体調で……」
「平気です!失礼します!」
「あっ花音様!」
迅さんの返事も待たずに、急ぎ足で会場へ戻った。
実際はまだふわふわしている。
足元が少し頼りなくて、視界もほんのり揺れていた。
でも今日の日の為にあんなにレッスンしたんだから……
要さんの隣にふさわしいところを見せるチャンスだし。



