「あっれぇ?この子って……獅堂家のぼっちゃんの嫁じゃねぇ?」
「うっわ、マジだ。すげぇ美人じゃねーかよ」
突然目の前に二人の男性が現れた。
二人とも酔っているようで、すぐ近くにまで寄ってきた。
「あの……失礼します」
横を通り過ぎようとしたら、私も酔っているせいか足がもつれて転びそうになった。
一人の男が私を抱きかかえる。
「ラッキー!若い子の肌に触れちゃった~」
「お前!ズルいぞ!」
私は驚きのあまり、硬直してしまった。
「あっれ?大丈夫?」
「てか……ぼっちゃんに放っておかれたのか?」
「ああ、朝比奈のお嬢様に夢中だもんなぁ……」
「あっちと手を組んだ方がよかったのに、なんで潰れそうな九条家なんかと」
酔っていても、嫌な言葉はスルスルと頭に入っていく。
この人たち、〝潰れそうな九条家なんかと〟って……
私のことは何を言われてもいい、でもお父様とお母様のことを言われるのは許せない。
私は力づくでその男から体を離した。
「あなたたち……名前も名乗らず失礼ですよ」
「へぇ、結構強気な感じなんですね?いいねぇ」
男が私の腕を再び掴んだ瞬間……



