私は少し首を傾げる。
「でも、もう二年も経ってますし……偶然会うなんてありえないですよね」
少し恥ずかしくなって笑った。
「その人、もう覚えてないと思いますし……」
要さんがゆっくりと体を起こした。
「……覚えてるだろ」
「え?」
思わず聞き返す。
要さんはこちらを見て、少しだけ目を細める。
「そんな状況で会った相手……普通忘れねーよ」
胸がどくんと鳴った。
「……そうでしょうか」
少しだけ沈黙が落ちる。
私はなんとなく要さんの横顔を見た。
いつもの意地悪そうな笑顔じゃない。
どこか遠くを見るような目をしていた。
「……要さん?」
名前を呼ぶと、要さんははっとしたようにこちらを見た。
そして、ふっと笑う。
「ま、会えたら奇跡だな」
「ですね……」
「でも」
ぽつりと呟く。
「そいつ、ラッキーだな、そんなふうに大事に持っててもらって」
私は思わずネックレスを握った。
「だって……」
少し迷ってから言う。
「あの時、困ってた私を助けてくれたから……きっといい人に違いありません」
思い出して、少し笑う。
すると、要さんが小さく笑った。
「……見る目あるじゃん」
「そうですか?」
「その判断、絶対間違ってねぇな」



