完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

しばらく沈黙が落ちる。

要さんは私をじっと見ていた。

それから、ふっと息を吐く。

「……変なやつ」

「え?」

「普通は逃げたがるだろ」

「そうですか?」

要さんは少し笑った。

「……無理しなくていいんじゃねーの」

「え?」

「今のままで十分だろ」

一瞬、言葉の意味がわからなかった。

「そのままの方が、お前らしい」

胸がどくんと鳴る。

「そ、そうですか……?」

「無理して、また風呂で倒れられても困るしな」

「ちょっ……!」

要さんが私を見て笑う。

どうしよう……ドキドキが止まらなくて顔に出てしまいそう。

その時だった。

要さんが立ちあがり、縁側に座ってそのままごろんと横になった。

「え!?」

「はー……」

大きく息を吐く。

「落ち着くな、ここ」

「い、いきなり横になるなんて……!」

茶室でそんなはしたない事、したことも見たこともない。

「ここ、茶室ですよ!?」

「別にいーだろ、高野もいないし、誰も見てねーよ」

要さんってこういうことしちゃうんだ……

畳に寝転んだまま、こちらを見上げた。

「花音さんもこっちに来て横になったら?」

「え!?」

「温かいし、最高」

両腕を伸ばして、確かに気持ちよさそう。