完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~


きゃあ、と楽しそうな声を聞いた途端……胸が、ざわっとした。

……なんだろう。

急に落ち着かなくなる。

その子たちが要さんを見て笑っているのを見ていると、なぜか胸が苦しくなった。

私……。

どうしてこんな気持ちに……。

もう一度、要さんを見る。

弓を構える姿がやっぱりかっこよくて、

胸がぎゅっとなる。

その時ふと思った。

……あれ?

もしかして私……

要さんのこと……

好きに……なってきてる?

自分で思った瞬間、顔が熱くなる。

「……む、無理!」

私は慌てて弓道場を離れた。

心臓がうるさい。

こんなの初めてだ。



――その日の夜。

「花音様」

その声にハッとする。

厨房だった。

「……あ」

目の前には相沢さんがいて、料理レッスンの途中だった。

「包丁止まってるぞ」

「あっ!すみません!」

慌てて手を動かす。

相沢さんが腕を組んで言った。

「今日はボーっとしてるな」

「す、すみません……」

「なんか悩み事?」

「いえ!集中します!」

慌てて玉ねぎを切り始める。