――翌日
学校から帰宅して、私はダンスレッスンを受けた。
窓から夕方の光が差し込んで、床が淡く光っている。
瀬戸内先生とのレッスンが終わり、先生が帰った後も私はダンスホールに残っていた。
鏡の前で、一人でステップを確認する。
「えっと……右、左、回って……」
でもすぐに足がこんがらがる。
「うーん……」
思わずため息をついた。
「頑張ってますね」
突然、後ろから声がしたので振り向くと、迅さんが立っていた。
「あ、迅さん!……すみません、うるさかったですか?」
「いえ」
迅さんは少し笑った。
「花音様が自主練をしていると高野から聞きまして……偉いですね」
褒められて、ちょっと恥ずかしい。
「でも、全然上手くいかなくて……」
「最初は誰でもそうです。まだ始められたばかりなのですから」
広いホールに残ったのは、私と迅さんだけ。
「あの……要さんはまだ帰宅されてないのでしょうか?」
「はい。弓道部の大会が近いとかで練習が長引いているのかと」
私は少しだけ肩を落とした。
なんでだろう……少しだけ、残念。
すると迅さんが笑った。
「では、私が相手をしましょうか」
「え?」
「簡単なステップなら教えられますよ」
そう言って、手を差し出してくれる。



