「私が先に見つけたんですが、私じゃ運べないので峰山さんを呼びました」
「じゃ……その……」
顔が熱くなる。
もしかして……
嫌な予感がする。
「裸……見られちゃった……?」
紬ちゃんはすぐに言った。
「大丈夫です。峰山さんが来る前にバスタオルはかけました」
ほっとする。
「よかったぁ……」
小さく呟くと、紬ちゃんが少し笑った。
「峰山さんが途中まで運ばれていたのですが……要様が来られて、途中で交代されました」
「え?」
「『代われ』と仰って」
紬ちゃんはくすっと笑う。
「あの時の要様の慌てようといったら……」
「慌ててたの!?」
あのいつも冷静な方が慌てるなんて……
「はい。抱えられてる花音様を見るなり、『触るな!』と峰山さんから花音様を奪うように抱き上げてました」
「そ、そうなんだ……」
「……嫉妬みたいでしたよ」
「ええ!?そんなわけないよ!」
思わず声が大きくなり、紬ちゃんも驚く。
「むしろ……嫌われてると思う」
紬ちゃんは少しだけ首をかしげた。
「そうでしょうか」
そして小さく言った。
「要様、花音様の名前を呼んでいましたよ……とても焦った顔で」
「え……」
「……あんな要様、初めて見ました」
胸が、どきっとした。
心配してくれてたんだ……
いつも私には冷たい口調なのに、どうして……
でもあの温かい腕で私を抱えてくれていたのは、要さんだったんだ。
体は疲れてるのにその事を考えすぎて、眠れない夜を過ごした。



