完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

「お前、何やってんだよ!?」

「申し訳ございません」

「申し訳で済むか!」

要さんの額に青筋が浮いている。

でも迅さんはどこか吹っ切れたみたいな顔をしていた。

「花音様の、要様へのお気持ちがあまりにも強かったので」

「……は?」

「だから、最後におでこへ口づけをして、この想いを断ち切ろうと思いました」

「最後ってなんだよ!」

「ですので、もうご安心ください」

迅さんが真面目に言う。

「今こうして、花音様が真っ先に私を心配してくださっただけで十分です」

「迅さん……」

なんだか胸がぎゅっとなる。

でも次の瞬間。

「勝手に想うな、触るな、解決するな!」

要さんが再びキレた。

「お前ほんと覚えてろよ!?」

「要さんっ、怒らないであげてください!」

「花音は黙ってろ!」

「えっひどい!」

すると迅さんが、小さく笑った。

「要様、独占欲が強すぎます」

「うるせぇ!」

「ですが……そのくらいの方が安心です」

その言葉に、要さんが舌打ちする。

「……チッ」

でも、どこか本気で怒り切れていないようにも見えた。

長い付き合いだからこそ、なのかもしれない。