完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

「花音さんと色々お話したい事もあるし」

「あ……私は構わないですけど……」

チラッと要さんの方を見ると、眉間にしわを寄せていた。

「ここじゃダメなのかよ?」

「ふふっ、女同士だけで話がしたいのよ。仲間外れにしても怒らないでね?」

「そんなことで怒んねーよ」

そう言ってるけど、内心面白くない様子。

「長居はしませんから……少しだけ行ってきますね?」

要さんにそう言うと、

「わかった」

と、渋々返事が返ってきた。


志乃さんに案内され、私は屋敷の二階の奥にある一室へと通された。

パーティ会場の華やかさとは違い、その部屋は落ち着いた色合いでまとめられていて、どこか静かな空気が流れている。

そしてオシャレでセンスがある家具ばかりだ。

「どうぞ、座って」

「失礼します……」

促されるままソファに腰を下ろすと、志乃さんも向かいにゆっくりと座った。

ほんの少しだけ、顔色が優れないように見える。

「……本当は、まだ完全には回復していないのだけれど」

そう言って、ふっと小さく笑う。

「でも、どうしても直接お話ししたくて」

「ご無理されてませんか?」

思わずそう聞くと、志乃さんはやさしく首を横に振った。

「大丈夫よ。でも……」

少しだけ視線を落とす。

「あれから紅茶が苦手になってしまったわ」

「……っ」