完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

顔が熱いけど、嫌じゃなくて。

むしろ……落ち着く。

そっと手を重ねると、自然に指が絡められた。

これが噂の恋人繋ぎ……だよね?

「……っ」

意識した瞬間、また心臓がうるさくなる。

でも、要さんの手は離れない。

それどころか、少しだけ強く握られる。

「……花音」

名前を呼ばれて、顔を上げる。

さっきまでの甘い空気とは少し違う、落ち着いた表情だった。

「今回の交流会の件だけど」

「……はい」

「おそらく、狙いは志乃じゃない」

「はい……」

思わず顔を上げる。

「本来の標的は……花音、お前だ」

「……っ」

一瞬、言葉が出なかった。

「ただの推測じゃない。状況的に見て、ほぼ間違いない」

手の力が、少しだけ強くなる。

「だから……お前は俺が守る」

「……っ」

その言葉に、胸がぎゅっと締めつけられる。

「もう二度と、志乃みたいなことにはならない」

静かな声なのに、すごく強くて。

本気なんだって、すぐに分かる。

「……はい」

小さく頷くと、要さんが一瞬だけ表情を緩めた。

「それから……志乃のことも、気にしてたみたいだけど」

「……はい」

「安心しろ」

少しだけ、苦笑するように。

「昔からの付き合いなだけだ」

「……え?」

「志乃のことは、そういう意味で見たことは一度もない」

さらっと言われて――

「……っ」