完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

ぎゅっと、さらに腕の力が強くなる。

顔を上げた瞬間だった。

視界が近づき、唇が重なった。

「……っ」

今度は、あの時みたいな不意打ちじゃない。

ちゃんと、向き合ったキス。

触れるだけじゃなくて、確かめるみたいに。

ゆっくり、でも逃げ場を与えない。

「……ん……」

息が、かかる。

心臓が壊れそうなくらい鳴ってる。

少しだけ離れて呼吸を整えようとしたけど、またすぐ触れる。

さっきよりも、深く。

「……要、さん……」

やっとの思いで名前を呼ぶと、

「……呼ぶな」

「え……なんで……」

「余計止まんなくなる」

「……っ」

そんなこと言われたら、余計に意識してしまう。

「……今まで我慢してた分、無理」

額が触れる距離で、そう言われて。

「……これから覚悟しといて」

少しだけ、意地悪く笑う。

でもその目は、真剣で。

「もう遠慮しない」

そのまま、もう一度引き寄せられる。

さっきよりも甘くて、でもどこか強引なキスだった。

「口の力緩めて」

「む、無理ですっ……」

息が上手くできない。

でも……嫌じゃない。

むしろ、離れたくないって思ってしまう自分がいる。