完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~


「……あの」

小さく息を吸う。

要さんの手は、まだ私の手を掴んだままで、その熱が全部伝わってくる。

「私も……」

喉が震えてしまうけど……ちゃんと伝えたい。

「要さんのこと……好きです」

一瞬、空気が止まった気がした。

「……っ」

要さんの目が、見開かれる。

「最初はずっと分からなくて……婚約者だからなのか、とか……」

「……」

「でも……違いました。正直怖いと思う時もあったけど……要さんの不器用な優しさを知って、惹かれていったんです」

逸らさず、私の目を見てくれている。

「気付いた時にはもう好きになっていました……泣いてしまうくらい」

その言葉が落ちた瞬間。

ぐっと、強く引き寄せられた。

「……っ」

気づけば、抱きしめられていた。

さっきよりもずっと強く、逃がさないみたいに。

「……マジか」

耳元で低く呟かれる声が、少しだけ震えていて。

「……やばいな」