完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~


かすれた声が出た。

「今まで……何も言ってくれなかったのに……」

「……悪かった」

すぐに返ってきた言葉に、胸が痛くなる。

「でも……これ以上は、無理だ」

そのまま、ぐっと引き寄せられる。

「……っ」

距離が、一気に近づく。

「俺も限界」

耳に低く落ちる声。

自分の心臓の音が、うるさいくらい響く。

「で……返事は?」

「あ、の……」

「……」

静かな沈黙が流れる。

体も顔も熱くなり、倒れてしまいそう。

「あー……」

突然要さんが項垂れた。

「ど、どうし……」

「悪い。俺、焦りすぎだよな……」

困ってるような、恥ずかしがってるような……こんな要さんなんて見たことなくて。

思わず、可愛いと思ってしまった。

要さんがこうやって本音をぶつけてくれたんだ……

私もちゃんと伝えなきゃ。

そのまま言葉を探したけど、胸がいっぱいで、何から伝えたらいいのか分からない。

でも……逃げたくない。