部屋に案内された瞬間、私は思わず立ち止まった。
さっきまで案内してくれていた峰山さんも下がり、広い洋室には私と要さんだけ。
「広い……」
思わず口から漏れた。
私の屋敷の部屋も狭いわけではないけれど……
大きな窓にふかふかのソファ、天井は高くてシャンデリア……
奥には書斎のようなスペースまである。
まるでホテルのスイートルームだ。
こんなところで生活するの……?
落ち着かなくて、部屋の中央で立ち尽くしたままだった。
「気に入りませんでしたか?」
「い、いえ!とても立派なお部屋で……その……」
言葉を探していると、要さんは小さく笑った。
「すぐ慣れますよ、楽にしてください。あなたの部屋なんですから」
そう言い、要さんがソファに座ったので、私も慌てて向かい側のソファに座った。
ソファもテーブルも新しくて、部屋にはほんのりアロマの香りがしている。
でもそれよりも……
目の前の人が綺麗すぎて落ち着かない。
長いまつげ。
すっと通った鼻筋。
横顔なんて、まるで絵みたいだ。
ふと、二年前の夏祭りの夜が頭をよぎる。
どうしてだろう。
あの時の男の子は……もっと背が低かったし似てもないのに。



