完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~


「隠されたままでいいって思わなかった」

まっすぐ、見上げる。

「間違ってるって、ちゃんと気づいてる」

声に、少しだけ力が入る。

「それを敵側である私に伝えて……すごいと思います!」

「……は?」

少しだけ、面食らったような顔。


「大我さんはちゃんと反省してるし……」

「……」

「それって、弱い人にはできないことです」

静かに言い切り、空気が止まる。

「……っは」

大我さんが、息を吐くように笑った。

でも今度は、少しだけ違った。

「……なんだよそれ」

ぼそっと呟く。

「慰めてんのか?」

「いえ……」

すぐに首を振る。

「本気で言ってます」

「……」

じっと、見られる。

さっきまでとは違う、まっすぐな視線。

「……ほんと、変なやつだよなぁ」

ぽつりと。

でもその声は、どこか柔らかかった。

「普通、引くだろ」

「引きません……むしろ」

少しだけ息を吸って。

「そんなことをしてしまう大人たちの中で、大我さんみたいな人がいてよかったって思います」

一瞬の沈黙の後……

「……はぁ」

大我さんが、顔を覆った。

「やば……」

「え?」

「それ、反則だろ」

指の隙間から、ちらっとこちらを見る。

その目は……

少しだけ、困ったように笑っていた。