完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

声が、少しだけ低くなる。

「でも……二年前の獅堂家とやりあった時も」

「……っ」

花音の中で、何かが重なる。

迅さんが話してくれた抗争の話……

裏で何かがあるかもしれない、という話。

あれって……大我さんの家のこと?

「……あの時も、俺は騙されてた」

静かに、言い切る。

「獅堂家が一方的に裏切ったって、そう聞かされてた」

「……」

「でも実際はどうだ?」

自嘲気味に笑う。

「今回みたいに、裏で汚ぇことしてたのは……こっちだろ」

言葉が、重く落ちる。

「他にもうちは色々やらかしてるの知ってさ……最悪だろ」

顔を上げる。

その目は、どこか諦めたようで。

「こんな家に生まれて、こんなやり方しかできねぇ奴の息子で。俺も、同じだ」

そして寂しそうに笑う。

「……わるかったな」

それは違う……

胸の奥で、強く何かが動いた。

「違います」

はっきりと、言葉にする。

大我さんの目が、わずかに揺れた。

「同じじゃ、ありません」

ペットボトルを持つ手に力が入る。

「だって大我さんは、ちゃんと知ろうとしてるじゃないですか」

「……」