完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

振り返ると、大我さんが笑顔で。

「すげぇな、お前。この状況でそれ言える?」

「……」

何も言えない。

でも、視線は逸らさなかった。

「……ま、いいや」

軽く肩をすくめる。

でもその目は、さっきまでと少し違っていた。

先生が手を叩く。

「さ、さすがは九条さん!噂話は下品ですし、早乙女さんにも失礼ですね!」

みんなも話をやめて前を向き始めた。

それを見てホッとした。

のも束の間……

「放課後、ちょっと付き合え」

後ろから耳元でそう呟かれた。

「え!?」

突然の言葉に振り返ると、大我さんの顔が間近にあった。

「聞きたいことあんだろ?」

にやっと、いつもの調子に戻る。

でも……どこか違う。

「べ、別に……ありませんけど……」

「あるだろ」

断定されて否定できない。

「逃げんなよ」

「に、逃げません!」

思わず言い返してしまう。

「じゃ、決まりな」

それだけ言って、教科書に視線を移した。

その顔を見ながら、胸が少しだけざわついた。

どう、なったんだろう。

要さんからは休むと聞いてから、何の連絡もない。

……少しだけ、怖い。

何が起きているのか、ちゃんと知るのが。