完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~


その時、会場にアナウンスが流れる。

『これよりティータイムを開始いたします。担当の生徒はお茶のご用意をお願い致します。エスコートを担当する生徒はお相手の元へお集まりください』


「あー……じゃあさ」

大我さんが突然私の手を掴む。

「俺がエスコートしてやるよ」

「え!?」

「こういう場、慣れてないだろ」

志乃さんもいるのに、この人は全く変わらない。

断ろうとした、その瞬間――


「必要ありません……その手を離してください」


気づけば、要さんが私の腕を軽く引いていた。

「彼女は、俺のパートナーですので」

にこやかな笑顔。

でも、目は全く笑っていない。

「……へえ」

大我さんが笑う。

「ちゃんと見とけよ?取られないように」

「心配には及びません」

空気がピリッと張り詰める。

二人の間に挟まれて、何も言えない。

要さんは私の手を引き、フロアの中央へと導いた。

周囲の視線が一斉に集まる。

「……っ」

緊張で、少しだけ手に力が入った。

「力、抜け」

耳元で、低い声が落ちる。

「……え」

「そんなに強く握るな。逃げねぇから」

さっきまでとは違う、落ち着いた声。

でも、その指先はしっかりと私の手を包み込んだままだった。