完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

「……ありがとうございます」

小さく答えると、志乃さんがやってきた。

「花音さん!こんなところにいたのね」

華やかな赤のドレスがすごく似合っている。

でも派手すぎない、大人なデザイン。

「志乃さん、お久しぶりです」

「今日を楽しみにしていたの」

志乃さんが私の手をそっと取る。

「とても可愛らしいわ。そのワンピース」

「え、あ……ありがとうございます」

「そのままで十分よ」

ふっと、意味深に微笑む。

「無理に背伸びしなくても」

「……」

一瞬だけ、その言葉の意味を考えてしまう。

「志乃、久しぶりだな」

その時、横から大我さんが割り込んできた。

「……え……あなた……大我?」

「そうそう!しばらく顔合わせてなかったしな、わかんなかっただろ」

「え、ええ……」

志乃さんがチラッと要さんの顔を見る。


「転校してきたなんて……知らなかったわ。ずっと海外にいると思っていたから」

「親父がこっちでまた活動するんだと」

いつも余裕そうな志乃さんが、ほんの少しだけ気まずそうに微笑んでいる。

大我さんとの間に何が……あるの?