無意識に左手を引き寄せた。
「……あ」
隠そうとしたけど、もう遅い。
大我さんがじっと見ている。
「へえ……これあいつから?」
「……はい」
小さく答えると、顔がじんわり熱くなる。
その瞬間、ほんの一瞬だけ、大我さんの表情が変わった気がした。
でもすぐに、いつものように笑う。
「ふーん」
軽く鼻で笑って。
「大事にされてんじゃん」
その言い方に、少しだけむっとする。
「大事に、されてます」
思わず言い返してしまった。
でも、自分でも分かるくらい頬が緩んでいた。
「……」
大我さんがじっと私を見る。
それから、ぽつりと。
「そんな顔、すんだな」
「え……?」
「惚気てる顔」
「なっ……!?」
一気に顔が熱くなる。
「ち、違いますっ……!」
「いや、分かりやす」
くすっと笑われる。
……この人、本当に苦手。
そう思った、その時。
「でもなぁ……」
ふと、思い出したように。
「この前の披露パーティで、志乃といい雰囲気だったんだろ?」
一瞬で、空気が変わる。
「え……それは……」
「〝密会〟だっけ?新聞に載ってたじゃん」
うまく言葉が出てこない。
胸の奥が、ざわっとする。
「婚約者ほったらかして、なにやってんだか」



