完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

返しに困っていると、近くの女子生徒たちが優雅に微笑んだ。

「早乙女さんもご参加なさるのですよ」

「お客様をもてなすのも、大切な役目ですわ」

「へえ……俺が?」

少しだけ眉をひそめる。

「断ったら?」

「その場合は……」

にこり、と微笑んだまま。

「強制ですわ」

「……はは」

乾いた笑い。

……ちょっとだけ可哀想かも。

「花音」

「はい?」

名前を呼ばれて振り向いた瞬間、腕を掴まれる。

気付くと本棚の陰に引っ張られていた。

私の肩を掴み、そのままぐっと引き寄せられる。

「やめっ……」

拒もうとして力を入れてもビクともしない。

すごい力!

「何ビビってんだよ」

「え!?」

からかうような視線。

「このくらいで動揺してるようじゃまだまだだな、志乃は上手くかわせてるけど」

「……っ」

その名前に敏感になってしまっている。

「今あいついねぇだろ、少し付き合えよ」

「何言って!?」

でもその目が、ふっと私の手元で止まった。

「……それ」

「え?」

「指輪」

心臓が、どくんと跳ねる。