完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

さっきまでの重たい空気が、少しだけほどけた気がした。

「……ありがとうございます」

小さくお礼を言うと。

「食べてみるか?」

「えっあの、私は沢山味見したんで……」

要さんがフォークにミートパイを刺して私に向けている。

これって間接キスになるよね……

どうしよう。

「いらないなら……」

「た、食べます!!」

勢いよくフォークにかぶりついた。

それを見て要さんが驚いている。

でもすぐに笑顔になり……

「ハハハッ……」

声を出して笑った。

要さんがそんな風に笑うのなんて初めてで。

無邪気な笑顔が可愛くて思わず見入ってしまった。

「花音さんって……イメージと全然違うよな……」

笑いすぎて涙が出たのか、目じりを指で拭っている。

「……そんなに変でしたか?」

「いや……ほんと、お嬢様らしくなくて」

お嬢様らしくない……

その言葉にショックを受けるけど、少々お転婆な私はよく両親から〝お嬢様らしくしなさい〟と言われていた。

気を付けていたのに、こんなところで言われてしまうなんて……