「……花音様、大丈夫でしょうか」
はっとして顔を上げる。
「い、いえ……あまりにも衝撃的で……」
「そうですよね、花音様は知らない方がいいと思っていました」
「……どうして話してくれたんですか?」
迅さんが優しく微笑む。
「……花音様なら、あの方を理解し受け止めてくれると思ったからです」
「でも……私、要さんに嫌われている気がして……」
「え?なぜそのような……」
「昨日ケーキを作ったのですが……受け取ってくれませんでした」
口にすると惨めになり、悲しくなってくる。
「記事の件もあって最近忙しいから、甘いものでも食べれば気分転換になると思ったのですが……」
どうしよう、目頭が熱くなっていく。
「すみません……」
慌てて顔を背けるけど、もう遅かった。
ぽろ、と涙が落ちる。
「私……っ」
うまく言葉にならない。
モヤモヤと胸の奥に溜まっていたものが、一気に溢れ出てくるようだ。
「……やっぱり志乃さんみたいな方じゃないと要さんを支えられないですよね……」



