完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

大我さんが、ふっと笑った。

「盗み聞きかよ」

「偶然通りかかっただけだ」

淡々とした声。

でも空気が一気に張り詰める。

「ふーん?」

大我さんは一歩、私から離れる。

「過保護すぎんだろ」

「……花音さんが知らなくていいことまで言うな」

知らなくていいこと……

突き放されたみたいで寂しくなる。

二人の視線がぶつかる。

見えない火花が散ってるみたいで……息が詰まりそう。

「別にいいじゃん。婚約者なんだろ?多少は知っといた方がいいと思ってさ」

「必要ない」

私は蚊帳の外なの……?要さんの婚約者なのに……

「花音さん」

名前を呼ばれて、はっとする。

「こっち来て」と手招きされる。

「は、はい……」

自然と足が動いた。

要さんの方へ歩こうとした次の瞬間。

突然後ろからぐっと手首を掴まれる。

「えっ!?」

振り返ると大我さんが私の手首を掴んでいた。

「おいっ……ふざけんなよ」

それを要さんが力づくで離してくれて。

「ははっ、おもしれぇ」

大我さんが愉快そうに笑った。

その笑い方がなぜか不気味でぞくっとした。

「見つけたわ」

「は?」

「獅堂要の崩し方」

私は要さんの後ろに咄嗟に隠れたが、大我さんがじっとこちらを見る。