完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~


「あの……私も聞きたいことがあって」

大我さんがチラッとこちらを見る。

「ああ、やっぱり気になるよな?さっき俺があいつに言ってたこと」

「はい……要さんとはお知り合いなんですか?」

「……まぁな。2年前にあいつが俺らの仲間を随分痛い目に遭わせてくれて」

背筋がぞくっとする。

「か、要さんがですか?」

「そ。あいつのそういうところ見たことない?」

ふっと思い出す、あのパーティでの要さんの血が付いた拳。

あれは相手の返り血なんだろうか。

私の知らない要さん……?

「……どういうことなんですか?」

声が小さくなる。

大我さんは少しだけ楽しそうに目を細めた。

「気になる?」

「……はい」

「じゃあ――」

その時だった。

「余計な話はするな」

低い声が、割り込んだ。

「……っ!」

びくっとして振り返る。

そこに立っていたのは――

「要さん……!」

いつの間に来たの!?

弓道着を着たまま、壁にもたれるように立っている。

その目は、さっき教室で見たのと同じで冷たく、鋭い。