どうしよう……
みんなが驚いた表情をしている。
こんな要さんなんて見たことないからだろう。
「花音さんに絡むな」
静かな声で、まっすぐこちらを見ていた。
でもはっきりとした拒絶で、教室の空気がまた変わる。
早乙女さんがふっと笑った。
「まだ何もしてねぇよ」
軽く両手を上げる。
「そんな警戒すんなって」
でもその後は冷めたような目つきをした。
「この女のこと……大事にしてんだなぁ」
ぽつりと呟く。
その目が私に向いたのでぞくっとした。
「……壊したくなるタイプだ」
……なに、この感じ……
怖い。
でも……目が離せない。
休み時間、早乙女さんは立ち上がってどこかへ行ってしまった。
それを見てほっと一息つく。
隣の席の柏葉さんが近寄ってきた。
「ねぇ九条さん、さっきの獅堂様……すごく別人のように見えたので驚きましたわ」
「あ……そうですよね……」
「早乙女さんと知り合い?仲が悪いのでしょうか?」
柏葉さんは探る様に私の顔をじっと見てきた。
「いえ……きっと気のせいだと思います。要さんは家でも変わらないので……」
「……そうなんですの?」
うんうんと頷く私を見て、納得してくれたかはわからないけど……
私の前では無愛想な時や素っ気ない時もあるけど、それも全部要さんだから。
悪い方に勘違いされたくない。



