完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

「えっ……で、では……」

先生が教室のみんなを見渡して、私と目が合った。

え……もしかして。

咄嗟に俯くが、遅かった。

「九条さんの近くがいいですかね!風紀委員でもありますし、この学校のことなら何でも知っていますから!」


心臓が、どくんと鳴る。

やっぱり……!

そして偶然にも、私の後ろの席がちょうど空いている。

早乙女さんはゆっくり私の方に視線を向けた。

獲物を捕らえるような目つきが少し怖い。

無言で私の方へ歩いてくると、後ろの席に座った。

すぐ後ろに、気配を感じる。

「……九条……花音か?」

名前を呼ばれて、びくっとする。

なぜフルネームを知ってるの……?

ゆっくり振り返る。

早乙女さんが、頬杖をつきながらこっちを見ていた。

そして小声で話す。

「……あんたか」

「え……?」

「獅堂要の婚約者」

一瞬、思考が止まる。

……知ってるの?

「へぇ」

じっと、観察するような視線。

「見た目は完璧じゃん」

「……っ」

な、なにそれ……!?

戸惑っているとさらに小さく声が落ちる。

「……なるほどな」

意味深な一言。

「なんなんですか……?」

「……この前の女は、こんな顔してなかったな」

どういうこと……!?

その時、なんと要さんが立ちあがって私達のところにやってきた。

「……おい」

それはとても低い声で早乙女さんを睨む。

クラス中が注目してるというのに、要さんは気にもしていない。