100回目の恋カレー


放課後、私は帰宅するとすぐにエプロンをつけて台所に立った。リビングの時計は十七時すぎだ。サッカー部に所属している涼真が部活を終えて、シャワーを浴びて家にくる時間を逆算すると一時間ほどしかない。

私はお鍋を取り出すと、まずは玉ねぎの皮を剥いて角切りにしていく。

「んー……目に滲みる」

涙目になりながらも、次に私は彩りのアクセントであり、涼真の好きなアスパラの皮を剥きレンジで加熱する。

「次はハート型の人参……」

人参を洗い輪切りにする。ここは慎重にいかなければいけない。包丁でひとつひとつ心を込めてハート型に見えるようにかたどり、余ったくず野菜は残らずみじん切りにする。冷蔵庫から鶏肉を取り出すと一口大に切り、私はお鍋にオリーブオイルを垂らした。

「あっ! ニンニク!」

いつもなら忘れないのにやはり百回目という、おまじないの効果の有無が決まる恋カレー作りは、悪い考えが頭から離れなくて集中しきれていないようだ。