100回目の恋カレー

いつもよりどことなく真面目なトーンの涼真に私はおずおずと彼を見上げた。

「ふっ……ぶっさいく」

「な……何よ、それ……失礼すぎでしょ」

売り言葉に買い言葉だが、ほんの少しだけ悲しみが薄れた気がした。私は涼真の持ってきてくれたティッシュで涙を拭く。


「──そんなに俺の事好き?」


(……え? 今、なんて……)

思わず目を見開いた私を彼が真剣な目で見つめる。

「俺は香恋のカレーも香恋も好きだけど?」

涼真が急にぷっと吹き出すと歯を見せてケラケラ笑う。

「なぁ。なんかダジャレみたいつーか、早口言葉みたいだよな」

私は理解ができないまま、さっきの涼真の言葉をもう一度頭の中に浮かべてみる。

(私のカレーも、私も好き? って言った……?)

「返事聞かせて? てゆーか、香恋が俺に作ってくれたの恋カレーじゃねぇの?」

「な、んで……それ……」

私は夢でも見てるのだろうか?
涼真が恋カレーを食べ終わって、私のことを好きだと言ってくれている。

──恋カレーのおまじないは本当だった?