100回目の恋カレー

二人揃って食べ始める。何度も二人で恋カレーを食べてきたのに、今日だけ涼真の食べる姿から目が離せない。

涼真は大きな口でどんどん胃の中へ放り込んでいく。ハート人参が涼真の口に入るたびに、私は緊張から何度もグラスの水に手をかけた。

「何、チラチラ俺のこと見てるけど?」

「えっ……と、あの、その美味しいかなぁって」

「美味いに決まってんじゃん。ほら、もうなくなりそう」

「う、ん……良かった」

涼真のお皿から、恋カレーが全部なくなったらどうなるんだろう。私はまだ、ふた口しか食べてない自分の恋カレーを見つめながら静かに息を吐く。

「なぁ朝から元気なくない? どした?」

「……別に何もないよ」

「ふぅん」

涼真が最後のハート人参をルーと一緒に掬ったときだった。

テーブルに置いていた彼のスマホが鳴る。涼真はスマホの液晶画面をチラッと見たが電話に出る気配はない。

「……いいの? 食事中だけど、親いないし出てもいいよ?」

涼真は困ったような顔をしながらも電話には出ない。 

私は嫌な予感がした。電話の相手はあのサッカー部のマネージャーの女の子なんじゃないだろうか?