凛ちゃんは気さくで優しい子だし、今さらわたしをいじめるようなことはしないだろうと思うけど、真剣な表情に少し不安になる。
「単刀直入に聞くね。音夢ちゃんって、七星くんのこと好き?」
人通りの少ない廊下の端で、凛ちゃんが声をひそめて尋ねた。
「…⋯え?」
予想していなかった質問になんて答えればいいか戸惑っていると、
「わたし、七星くんのこと好きなんだ」
真っすぐわたしを見て、凛ちゃんが言った。
「だから、もし音夢ちゃんも七星くんのことが好きなら、正々堂々、勝負しようと思って」
凛ちゃんはわたしから視線を逸らさず、迷いのない真剣な瞳で言葉を続けた。
どうしよう。なんて答える?
“わたしも好き”って正直に答える?
“ただ憧れてるだけだよ”って誤魔化す?
そしたら凛ちゃんは皇月先輩と本当につき合うかもしれない。



