カワイイは最強!〜地味子のカワイイ・プロジェクト〜

「地味子さんが羨ましそうに見てるよ~」


わたしの視線に気づいたのか、如月さんの隣にいた子がそう言って、如月さんが振り返ってわたしを見た。


「あ、月島さんも浴衣着てきたんだ」


言いながらわたしの浴衣を見て、


「古くさい浴衣」


バカにしたようにつぶやいた。


「地味子さんはやっぱり浴衣も地味なんだね~」


そう言ってクスクスと嘲笑する3人。


周りから感じる憐みと好奇の視線。


「……」


この場から逃げ出したくて、わたしは人混みの中をすり抜けて駆け出していた。


賑わう屋台を抜けて辿り着いたのは、神社の境内。


これから始まる花火を見ようと、カップルや家族連れが場所取りをしている。


息が苦しくて、立ち止まって呼吸を整えていたら、堪えていた涙が溢れてきた。


悔しい、悔しい、悔しい。


この浴衣は、去年亡くなったおばあちゃんの大切な形見なのに。