「小4の時、レッスンの帰り道に落ち込んでたら偶然通りかかった月島が声をかけてくれて、一生懸命俺のこと励まそうとしてくれたんだ。“僕なんかって言っちゃダメだよ、やる前からできないってあきらめちゃダメ”って」
「……あ……」
言われてみればそんなことがあったような気がする。
「あの言葉があったから、今の俺がいるんだ。だから…美夢は俺の恩人なんだよ」
そう言ってくれた先輩の笑顔が、とても優しくて。
まさか過去にそんなつながりがあったなんて思わなくて。
嬉しさと恥ずかしさと驚きで、言葉が出てこない。
言葉のかわりに溢れてきた涙で、目の前の視界がゆらゆらと滲む。
「入学式の時、美夢の名前聞いてやっと見つけたって思った。ずっと会いたかった…初恋の子だから」
…まさかそんな…先輩の初恋の人が…わたし、なんて…。
さっきから信じられないことばかりで頭が完全にパニックだよ…。
「俺にあんな強気で説教してた子だから、今も強気な感じの子なのかなと思ったら…まさかの地味子でいじめられてるなんて思わなかったけどな」
「…じゃあ、もしかして、最初にわたしのこと助けてくれたのは…」



