「社会勉強って感じかな」
わけがわからず戸惑っているわたしに、美雲さんはますます意味のわからないことを口にした。
そういえば撮影の前に凛ちゃんが“一緒に行ってもらおう”って言ってたけど……。
結局どこに行くのかわからないまま、車は速度を上げて進んでいく。
「良かった、ギリギリ間に合いそう」
しばらくして、美雲さんがつぶやいて車を駐車場に停めた。
すぐそばに、“東京文化ホール”と書かれた看板が見える。
「関係者席の入り口だからこっちね」
車から降りると、美雲さんが案内してくれた。
入口の前で美雲さんが受付の人にチケットを2枚見せると、パスを渡された。
「それ、つけて入ってくれる?」
美雲さんに言われて、渡されたパスを首にかけて中に入る。
「Mille Fleurs(ミル・フルール)スペシャルコンサート?」
ロビーに貼られているポスターを見て、やっと何をしに来たのかわかった。



