教室に入ると、クラスの子達が雑誌を見て盛り上がっていた。
「あ、月島さん! おはよう!」
自分の席に着こうとした時、わたしに気づいた早瀬《はやせ》さんが顔を上げて声をかけてきた。
彼女は如月さんグループのひとりだ。
「おはよう」
なんとなくイヤな予感がしながらも挨拶を返すと、
「ねぇねぇ、月島さんってまたスウィガの撮影ある?」
瞳をキラキラさせながら聞いてくる早瀬さん。
「あるけど……」
「じゃあ、今度凛ちゃんのサインもらえるかな!?」
やっぱり、それが目的か。
如月さんグループの子達がわたしに話しかけてくる理由は、ほとんどが凛ちゃんのサインが欲しいから。
わたしのことを認めてもらえたからではないんだ。
でも、だからこそ思う。
もっと頑張って自分に自信をつけて、「人気モデルの音夢だ」って認めてもらいたい、って。



